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 ものみの塔,千葉大会ホールにある謎の納骨堂




エホバの証人は「墓参り」をすることが禁止されていて、もし墓参りをすると、
「異教崇拝」「先祖崇拝」「遺骨に対する偶像崇拝」などの罪で、審理委員会
という内部裁判にかけられて排斥(破門)されます。






例えば「日本のものみの塔では、亡くなった支部委員や宣教師などの幹部信者
の遺骨は、市町村の共同墓地に安置しています。」と言われたらあなたはどう
思いますか? 


「うむ。人の上に立つ立場である以上、それは当然だろ」って思いますよね。


ではもう一つの例え、「日本のものみの塔の幹部信者の遺骨は、荼毘の時に火
葬場の職員に処分を依頼しているので手元にありません。」あるいは、「支部
委員や宣教師などの遺骨は葬儀の後に散骨しましたので手元にございません。」
と言われたらあなたはどう思いますか? 


「さすが! それでこそエホバの証人、上に立つ人はそうでなくちゃ!」
って思いますよね。


以上は例えですが、遺骨の正しい取り扱いについて知っているJW経験者は
そう思うのが自然であり、エホバの証人の理想としてはそうあるべきだと思う
のが普通ですよね。




では、「ものみの塔の千葉大会ホールの施設内には、一部の信者専用に作ら
れた秘密の納骨堂があります。」
って言われたらあなたはどう思いますか?


(゚Д゚)ハァ ???     ・・・ってリアクションしかとれませんよね。


この話を聞いた時は私も、「はぁ? 何それ?」って言いました。 
これほどJW経験者の感情になじまない話もないんですが、


千葉大会ホールの施設内にある納骨堂の存在は厳然たる事実です。





ものみの塔,千葉大会ホール


千葉大会ホールの場所 goo地図による検索:千葉県香取郡大栄町伊能1908番地






符号の4に注目してください。千葉県香取郡大栄町伊能1908番地にある、
ものみの塔協会の千葉大会ホールには納骨堂があります。















赤い矢印の示すCの上の小さい四角が千葉大会ホールの納骨堂のある場所です















納骨堂の大きさ 3.48m×2.7m 床面積9.39u 平屋建て

その小ささからしてごく一部の選ばれた信者専用の納骨堂です。
一般信者にその存在は知らされていません。









先祖崇拝と偶像崇拝の象徴のような納骨堂と外部からの搬入口





納骨堂の側面、併設された樹木のせいで納骨堂の建物が巧妙に隠されています





ものみの塔協会はこの土地を昭和63年(1988)年4月に購入し、
平成8年(1996)5月に納骨堂が建設されました。












エホバの証人の社会には、明文化されていない、あるべき正しいエホバの証人
の行動規範というものがあって、その中の一つに親族が死んだ後の遺骨の取り
扱いがあります。


死後の世界が無く、死者の復活を信じるエホバの証人にとって遺骨とはただの
「もの」にしかすぎず、信者が墓参りをすると遺骨に対する偶像崇拝行為にな
るので墓参りは絶対に禁止されていて、もし墓参りをすると審理委員会にかけ
られて排斥(破門)になります。(墓掃除ならOKです)


そのため、遺体を火葬場で荼毘にふした後は、遺骨を自宅に持ち帰らず、火葬
場の職員に遺骨の処分をお願いして、手ぶらで家に帰るのがあるべき正しいエ
ホバの証人の行動とされています。(強制ではありません。信仰心の問題です)

ある地方では、荼毘の後は遺骨を自宅に持ち帰らず、必ず火葬場で処分してもらうのが
決まりになっている会衆もあるそうです。



市町村によって処分を依頼された遺骨の取り扱いは違いますが、基本的に遺骨
の一部は火葬場に併設される無縁塚に合祀され、残りの大半の遺骨は産業廃棄
物として処分されてしまいますので、処分を依頼してしまうと当然ながら遺骨
は2度と戻ってきません。


信者が遺骨を自宅に持ち帰って自分の家の先祖代々の墓に入れても、墓参りさ
えしなければペナルティは何も無いんですが、先祖代々のお墓を維持するには
継続的に供養料を払う必要があります。先祖代々の墓は当然ながらお寺にあり
ますので、信者は異教の宗教に供養料を払いません。そのために供養料を払わ
ないお墓は時期が来ると自動的に無縁仏となり、墓石も処分されてしまいます。

永代供養だからといって永遠に無料ではありません。なんだかんだと理由をつけられて、
言われたとおりに毎年毎年少額のお金を払うのが日本の永代供養のお約束です。





信仰に熱心な信者は、自宅にあった仏壇とともに先祖代々の墓も処分していま
い、将来自分が入るべきお墓が無い人もいっぱいいます。ですので、この納骨
堂の存在は、既に遺骨やお墓を処分してしまった信者や元信者が聞いたら絶対
に許せない話だと思います。なぜなら処分する必要が最初から無かったからで
す。


故人に親戚縁者がいる以上、遺骨は信者個人のものではありません。信仰に従
って遺骨を処分するにあたっては、親戚縁者にその理由を説明する責任が生じ
るのは当然のことですが、遺骨の処置についてはものみの塔の出版物に明確な
ルールが書いていない無いだけに会衆のローカルルールになりやすく、エホバ
神に対する信仰心に忠実であれと思って遺骨を処分してしまった人は、親戚縁
者に対してこの納骨堂の存在をどう説明するんでしょうか?




この納骨堂の 奥行き 3.48m×幅 2.7m というサイズは、約22万人いる日本の
エホバの証人のためではなく、支部委員や宣教師などの、ごく一部の選ばれた
信者のためだけに特別に用意された納骨堂と判断するのが普通でしょう。





これは、それまで「一つの世代」と言っていたものみの塔の重要な教理、
21世紀までに間違いなくハルマゲドンが来て楽園になっている。という、
ものみの塔の終末予言が無期延期になった1995年11月の教理変更の発表
から、わずか6ヶ月後の、1996年5月にこの納骨堂が建てられたわけです



「一つの世代」の教理の変更
1995年11月までは、1914年を見た世代が生きている間にハルマゲドンが来て楽
園になると教えていた。そのため、死んだ信者はすぐに復活するので遺骨も墓
も必要無いとされていたため、真面目な信者は火葬場で遺骨の処分を職員に依
頼して手ぶらで帰ってきたわけだが、1914年を見た世代が死に絶えても何も起
こりそうもないので、ものみの塔協会はその教理を1995年11月に変更し、その
日は突然来るので「いつも目ざめていなさい」としてハルマゲドンと楽園を無
期延期にした。


教理変更前
※ 20世紀末までにハルマゲドンが来て、21世紀には間違いなく楽園になっている。

*** ものみの塔 81 1/15 31ページ 読者からの質問 ***
● 「[ご自分の] 臨在と事物の体制の終結のしるし」について語られた際,
イエスは弟子たちに,「あなたがたに真実に言いますが,これらのすべての
事が起こるまで,この世代は決して過ぎ去りません」と話されました。
(マタイ 24:3,34)この言葉をどのように理解すべきですか。(略)

 『これらのすべての事が起こるまで,決して過ぎ去ることのない』,この
「世代」とは何ですか。これを30年,40年,70年,あるいは120年など一期間
を指すものと解釈しようとしてきた人もいますが,それは期間ではなく,人々,
つまりこの罪に定められた世の体制に対する「苦しみの劇痛のはじまり」の際
に生きていた人々を指しています。それは1914年以降,第一次世界大戦と関連
して生じた大惨事を目撃した人々の世代です。



*** ものみの塔 85 5/1 4ページ 神は裁きを遅らせていますか ***
したがって裁きは,イエスの予告された期間を示す最初の証拠を見た人々の生
涯中に執行されるでしょう。この期間の始まりは,サタンの世の終わりが始ま
ったことを示すしるしとなり,天に新しく設立された神の王国はそのサタンの
世に対して神の裁きを執行します。聖書の年代表と聖書預言の成就は共に,
1914年にこの期間が始まったことを示す十分の証拠を提出しています。ですか
ら,1914年の世代の人々が完全に死に絶えてしまわないうちに神の裁きは執行
されるはずです。




教理変更後
※ ハルマゲドン無期延期、その日は突然来るので「いつも目ざめていなさい」

*** ものみの塔 95 11/1 17ページ いつも目ざめているべき時 ***
これまでにエホバの民は,このよこしまな体制の終わりを見たいと切に願うあ
まり,「大患難」の始まる時を推測することがあり,1914年以降の一世代の長
さを算定しようとしたこともあります。



*** ものみの塔 95 11/1 20ページ いつも目ざめているべき時 ***
15 「この世代」についてのより厳密なこの見方は,ハルマゲドンはわたした
ちがかつて考えていた時期より先のことである,という意味でしょうか。いい
え,決してそうではありません。わたしたちはこれまで一度もその「日と時刻」
を知ることはありませんでした
が,エホバ神は前々から知っておられ,変更さ
れることはありません。(マラキ 3:6)明らかに,この世界は最終的な破滅に
向かってどんどん下降しています。いつも目ざめていることの必要性は,これ
まで以上に大きくなっています。エホバは「ほどなくして必ず起きる事柄」を
啓示してくださっているのですから,わたしたちは真の緊急感を抱いてこたえ
応じるべきです。―啓示 1:1; 11:18; 16:14,16。
16 その時が近づいている今,いつも目ざめていてください。エホバはサタンの
体制すべての上に災いをもたらそうとしておられるのです。(エレミヤ 25:29
‐31)





人としての自然な感情として、遺骨は納めるところに納めてあげたいという思
いは誰にでもあると思います。しかし平成8年(1996)5月以前のものみの塔組織
の指導に従い、エホバ神に対する真面目な信仰心に基づいて遺骨を粗大ゴミ処
分してしまった人たちは、この納骨堂の存在により、取り返しのつかない選択
をしてしまったことが決定してしまいました。


さらに、納骨堂を建設した平成8年(1996)5月以降に、納骨堂の存在を知らずに、
エホバ神に対する敬虔な信仰心から遺骨を処分した信者がいたら、その親族は
ものみの塔協会を訴える可能性もあります。


遺骨の取り扱いについてはものみの塔の出版物に詳細が書かれていませんので
末端信者は長老の指導に従って来ました。遺骨を偶像崇拝の対象として粗大ゴ
ミ同然に扱って処分させてきた責任を、各会衆の長老の独断行為だった、信者
の自己判断の結果だったとするんでしょうか?


ものみの塔組織側が納骨堂の存在を末端信者に隠したくなるのも当然ですね。
これほどエホバの証人の感情になじまない話もないわけですから、「この件
はバレるとややこしいことになるから黙っておけ」という動機から末端信者
に秘密にしていたのではないかと思います。
















【参考資料】

ものみの塔本部のあるアメリカ合衆国での墓碑の取り扱いについて


アメリカ合衆国、ペンシルバニア州、ピッツバーグ市のノース・ヒルと
言われる地区の Rosemont United Cemeteries と呼ばれる墓地にある、
ものみの塔初代会長、チャールズ・T・ラッセルの墓。

墓にはJWが否定している「PASTOR(牧師)」と刻まれている

牧師 pastor
長老 elder


画像ソース:エホバの証人情報センター(JWIC)



ラッセルの墓に隣接するものみの塔協会が建てたピラミッドを形どった記念碑。
(左側にラッセルの墓が見える)



画像ソース:エホバの証人情報センター(JWIC)



エジプトの神を奉るために作られた「異教崇拝の象徴」であるピラミッドの上部には、
エホバの証人が「偶像崇拝の象徴」として否定する十字架が画かれている。


画像ソース:エホバの証人情報センター(JWIC)

ものみの塔の記念碑の近接写真。十字架と王冠の飾りの下には WATCH TOWER
BIBLE AND TRACT SOCIETY(ものみの塔聖書冊子協会)という碑銘が読み取れる。

この十字架と王冠の徽章は秘密結社「フリーメイソン」が使う Knights Tamplar
(テンプル騎士団)と呼ばれる象徴










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2005/07/14公開