昼寝するぶた 掲示板過去ログ:#6411

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No.6411 Re:Watchtower Bible and Tract Society of New York, Inc. 投稿者:AL 投稿日:2004/11/16 15:53     
JWICの説明は私も間違ってはおらず誤訳ともいえない、とは思います。ですが、アメリカで医師として開業しておられ、そもそも会社、あるいは株式会社を設立するのが日本よりはるかに容易でありその会社の形態も多岐にわたるという点についての基本的な知識があった上で書かれている村本氏と違い、読み手の多くはそんな知識はない場合がほとんどですから誤解を招きやすい表現、という意味では明らかな誤訳あるいは誤った解釈とはいえないかもしれませんが、やはり私はあの部分のJWICの説明は少々蛇足であると思います。

そもそもJWICにおいて説明されているようにアメリカのCorporationは株式会社とは限りません。株式を発行している会社組織、という意味であるなら、JWICにあるとおりものみの塔は実際に株式を発行しているわけですから「株式会社」だといえます。

しかしその実態はといえば、株式発行によって市場から資金調達するわけではなく、また特にものみの塔の場合はその定款あるいは寄付行為により株式を保有していたとしてもその譲渡はものみの塔の意に反してはできないそうです。あの組織がどういう組織か理解している人たちからすれば、これがどういう意味かお分かりいただけると思います。つまり株式発行というのは単なる表向きの話で、実質上は多くの日本人が「株式会社」という言葉で連想する会社組織のイメージとは異なります。

そうはいっても、日本の場合でも実質上全くの家族経営、あるいは同族色の極めて濃い会社であっても株式会社である場合はいくらでもあります。そのような株式会社の場合であっても、株式会社の形態にすることによるメリットを享受するためにそうしているだけであって、実際は株主というのは家族あるいは家族と近しい人々だけであったりしますし、当然定款はどうあれ株式の譲渡などということはそうやすやすとできるものではないと思います。株式会社といっても東証一部上場企業から父ちゃん社長にカアチャンがナンニモ専務で息子がイナクテモダイ常務とかいうようなものまでいろいろです。また世間でいうところの大企業であってもあえて証券取引所に上場していない企業もあります。


法的にも、日本の営利法人の場合一般に商法の適用を受けますが、非営利団体なら商法は適用されません。一般に非営利法人の場合は民法上の法人として民法の適用を受けたり、または民法に加えて現在話題になっているNHKのように特別法の適用を受けたりしますが、法の規定はともかく、営利法人の受ける法的規制に比べれば非営利団体のそれは非常に甘いのが現実だと思います。

つまり私が何が言いたいかというと、その組織がまともな組織であるかどうかということと法人の形態は特に関係はない、いやむしろ法や行政の規制を受けにくい(あるいは逆に政治や行政による保護を受けやすい)状況にある法人のほうが営利であろうが非営利であろうが不正がはびこりやすい、ということです。
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