昼寝するぶた 掲示板過去ログ:#6413

昼寝するぶた

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No.6413 Re:Watchtower Bible and Tract Society of New York, Inc. 投稿者:AL 投稿日:2004/11/16 16:04     
JWICの説明はものみの塔が株式会社であることの説明の前に、アメリカ税法に照らし合わせてものみの塔の主要な事業である雑誌書籍配布が決して完全に非課税の行為とはいえない、行政の解釈によっては課税対象となりうる、点をまず指摘しています。おそらく村本氏の意図はここにあるのでしょう。
なぜならエホバの証人はことあるごとに「紙と印刷代だけ」と強調して雑誌や書籍を配布しているからです。単価はそれは市販の書籍の同等の仕様のものと比べたら安くもみえますから、このエホバの証人の説明はそれなりに説得力があるように聞こえるかもしれません。でも考えてみればタダ同然の大量の労働力を動員できるのですから当然のことです。それに大量に同じものを刷れば刷るほど一つあたりの平均費用は下がります。

もっといえば、会社のあげる「収益」「費用」「利益」などというものも会計上、あるいは税務上の架空のものです。ものみの塔は雑誌書籍配布事業によって「利益」をあげることはなく、非課税団体であるので税金も払わない、からといって、「金儲け」をしていないとはいえません。実質は、タダ同然の労働力により大量の同じ出版物を発行し平均コストを限りなく引き下げて、そこから得られる余剰金を組織が吸い上げる、という意味では、「利益」をあげてないとしても「金儲け」をしていることに変わりありません。これに加えてものみの塔は不動産の転売や株式の保有、またその他の各種のタダ同然の労働力を用いたビジネスにおいても(電子レンジとか作っているそうです)金儲けしています。
また皆さんご存知のように世界各地で定期的に開催される巡回大会、地域大会、世界大会などでも、余剰金は信者に分配されることなく黙って組織が持っていくだけですね。政治家が政治資金を集めるためのパーティーとどこが違うのかとさえ思います。せめて各大会の資金の流れをすべて公開しガラス張りにするくらいのことは、お金に関して本当に清潔な組織なら自発的にすべきことではないでしょうか。

その他王国会館の建設後の余剰金や、遺産相続により組織が手にする財産などもあるでしょう。

村本氏が最後に株式会社の話を持ち出したのは、おそらく「株式会社」と言うことによって日本の多くの読み手に「ものみの塔は自分らが言っているのとは違い、完全に非営利の団体とはいえない、アメリカ税法上も雑誌書籍の配布は非課税とはいいきれない、会社の形態とて法律上も営利事業を行うことは禁止されていない」と言いたかったのだと思います。

しかしものみの塔が株式会社であろうがコーポレーションであろうが非営利組織(Non-Profit Organization:よくこの語をもじって、英語ではものみの塔は"Non-Prophet Organization"『イカサマ預言ばかり行う、全く当たらない預言ばかり行う組織』と言われます)であろうが、日本の法律でも株式会社ではない非営利団体(宗教法人含む)も収益事業を行うことは禁止されていないのですから、結論として村本氏の説明は少々的外れになっている感は否めません。



日本では商法上株式会社の設立には資本金1千万必要ですが、アメリカでは日本円で300万くらい?、州によってはもっと簡単でしょう。また法人の形態は多岐にわたり、パートナーシップやリミティッドライアビリティーカンパニー(LLC)、リミティッド・ライアビリティー・
パートナーシップ( LLP )などは日本にないものです。名前からすると日本の小規模な合資・合名・有限会社などをイメージしてしまいますが、アメリカにおいては大手会計事務所などいわゆる超大手多国籍企業であってもパートナーシップの形態をとっていたりします。

しかしこれらのさまざまな会社の形態も、課税優遇措置やその他の特典やその会社固有の目的からそれにあった形をとっているにすぎません。もちろんそれは日本の会社の場合も同じことです。そもそも法律の規定も組織のあり方も企業風土も異なるのですから、「このアメリカの会社は日本の株式会社にあたるのか、そうでないのか」というような話はあまり実益がないし混乱を招くだけといえるでしょう。
どうしても訳語をあてなければいけない場合は、その会社が日本語でいうところのどの会社の形態にあたるのかということはほとんど重要でない場合、多くの読み手はすでに日米の会社の形態の相違についての基本的知識がある場合などを除き英語名称をそのまま使うか、あるいは訳語を当てて詳細な注釈をつけることが必要であると思います。

私も詳しくは分かりませんが、ものみの塔が株式を発行する会社組織の形態をとっているのは、そうしたことによる社会的信用を高めるため、ひいてはJWICでも指摘されている通り、アメリカの税法の解釈しだいでは連邦政府がものみの塔を課税対象にできるがなんとか今のままの状態で課税対象とならないようにするため、つまり税金対策などが大きな理由であろうと思います。

日本の法人の一般的な形態にあてはめて考えるならば、アメリカの組織としてのものみの塔を日本流に解釈するなら、ものみの塔海老名支部と同様、宗教法人ものみの塔聖書冊子協会であって非営利法人(株式会社かどうかということは日米の法律や会社組織の相違がある以上ほとんど意味をなさない)、ということになるでしょう。

日本の場合、非営利法人が株式を発行するということはないと思いますが、財団法人や学校法人のような公益法人の場合に創設者や大口の寄附を行った人が理事長あるいは理事として理事会の議決権を握り実質上組織を支配している、ということはよくあります。またその支配の構図も営利企業よりもはるかに不透明であったりします。

アメリカのものみの塔に当てはめるとするなら、株式発行というのは単なる形式だけのもので、実質上一部の人間が組織を牛耳っている、「非営利団体」というようなイメージがあうのではないでしょうか。日本に数多くある、天下りの受け皿で税金を食いつぶすだけといわれる多くの公団とか公益法人・財団法人、学校法人、実質上は大企業を上回る財力を誇っているのにほとんど税金を払わない多くの宗教団体(金には比較的清潔であるとされるものみの塔だって実はアメリカの税法のスレスレのことをしている、大同小異)、こういうものとの対比させたほうが面白かったし、日本の多くの人にはすんなり理解できたのではないかと思います。

日本の場合でも非営利法人が営利事業を行ってはいけないわけではありません。多くの宗教団体が収益事業を行っていますし、オウムもパソコン販売で利益をあげていましたね。そして非営利法人であっても収益事業を行った場合には課税されます。

そうはいっても、日本の場合、非営利法人やとりわけ宗教法人など、会計監査があるわけでもなく、どこまでが非営利でどこまでが営利か、どうにでも都合のいいように操作できる余地が大きいように思います。一般にもむしろ営利法人よりも非営利のなんとか財団とか宗教法人のほうが胡散臭い、と思われているのは当然だと思いますし、実際そうだと思います。また政治家との強い結びつきがあったりすると、宗教法人を介した脱税(寄附は表向きで裏でペイバック、宗教法人はリベートを取る)など、いくらも行いうるでしょうし、また税務調査や会計監査もないのですからなかなか摘発されないし発覚もしないでしょう。

ただアメリカの場合は日本のような官僚統制はなくやはり政治家主導です。また自由を尊重するといいながら国家の安全保障を脅かす存在やその他政府にとって都合の悪い存在には問答無用で強権を発動する国ですから、日本のような宗教法人や公益法人に対する過保護というのは持続しにくいとは思います。公務員とかも安月給だし長年勤めても日本の公務員のようには給料は上がらず、また終身雇用ではなく首切りも結構あったりします。
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