昼寝するぶた 掲示板過去ログ:#6415

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No.6415 Re:いや納得納得 投稿者:AL 投稿日:2004/11/16 19:30     

この件に関しては今後も問題にされそうなのでJWICの村本氏にメールをうって改訂を依頼したほうがよいかもしれません。といってもお忙しい方ですのでどうなるか分かりませんが。

繰り返しますが、「株式を発行している会社組織」という意味であればJWICのいうようにものみの塔のアメリカ法人は株式会社です。むしろ株式会社のもともとの定義に忠実であるとさえいえるでしょう。

しかし実際には、JWICの説明にもあるようにCorporationとして登録されている会社でさえ株式を発行しているとは限りません。それにアメリカではLLC、LLP、パートナーシップのような形態の会社もCorporationと同様きわめてありふれた会社の形態です。「一般的な普通の会社」という意味でもっと曖昧にとらえるなら、アメリカでいうCorporation、LLC、LLP、パートナーシップはすべて「株式会社」としてしまっても、誤訳といえるかどうか私には分かりません。

そもそも「法人」などという言葉も日本語では気軽に日常会話でさえ出てくるくらいですが、これの直訳のJudicial Personなどという語はアメリカでは法学書にもあまりみられない語のように私には思われます。Legal Entityなら出てきそうですが、厳密にいえばこれは日本語のいう「法人」とは異なると思います。

日本の民法総則の規定はもともとフランス・ドイツ法などの大陸法をもとにしたもので、慣習法である英米法とは異なります。そのへんは詳しくないのですが、おそらくフランス法では「法人」概念が頻繁に用いられるのではないでしょうか。

というか特にアメリカでは法学に限らずどの学問でもプラグマティズム、実用性が重視されますので、日本のような一定の概念規定に当てはめてどうこう、といったことはアカデミックな世界でもあまり議論されません。

アメリカにおけるいろいろな法人の形態も、単にそれぞれが最も都合のいい形態を選択しているにすぎませんし、たとえば「パートナーシップとはいかなる概念に基づく法人か」みたいな議論は皆無なのではないかと思います(私が間違っているかもしれませんが)。

実際のところは、税金対策やその他会社の信用度を高めるとか、そういった実際上の理由で法人の形態が選択されたりあるいは変更されたりするのはアメリカも日本も変わりません。

「株主の有限責任」などといってみても、実際上は単なる家族経営が株式会社の形態をとっているだけの場合が多いわけですから、そういうものもただの法学上の机上のタテマエといってしまえばそれまでです。

株主への利益配当という点からすれば、法律の規定はおいておいて、欧米企業のそれのほうがもともとの資本主義に基づく「株式会社」の概念にのっとった運営がなされていますよ。日本は例外です。といっても昨今の不況で混沌としていますが。

日本の会社も戦前は欧米と組織運営の形態はほとんど同じだったらしいですが、大恐慌から戦争突入にいたる過程で、「株主に配当するくらいなら従業員に分配せよ」みたいな日本型の特異な共産主義的な政策がとられるようになって、それが戦後も引き継がれて日本型の特殊な会社運営が一般的になったといわれています。

つまり、そもそも概念上の議論が不毛に近いばかりか、現実はもっとかけ離れているわけですから、意味がないように思います。


つっこみさんは「公益法人」という言葉を気軽に使っておられますが、このような語はアメリカにおいては意味をなさない言葉だと思います。

日本ではアカデミックの世界でも実際の会社でも、「公益か否か」といったことはよく言われることですが、あくまでアメリカにおける法人の形態を二つに分けるなら営利法人か非営利法人かということだと思います。つまり営利を主たる目的とするか営利以外のものを主たる目的とするかどうかということです。ですから当然営利法人が寄附をしたり地域社会にさまざまな形で貢献するといった公益に資することは禁止されませんし、逆に非営利法人が営利事業を行ってもその本来の目的に著しく逸脱していなければ別に構わないわけです。これは日本の公益法人、非営利法人であっても同じです。

さらに言うなら、非営利法人(もしくは公益法人)の行う営利行為が法人の目的を逸脱していないかどうか、これに関する法律の運用、行政の対応はアメリカにおけるそれよりもはるかに甘いのが現状です。

八幡製鉄事件という有名な最高裁の判例がありまして、これは営利法人たる株式会社の政治献金が法人の目的外の行為か否かが争われた裁判ですが、目的の範囲内とされました。目的の範囲内かどうかということはすべての法人にあてはまる議論です。株式会社であっても商法だけが適用され民法が適用されないわけではありません。というより商法というのは民法の特別法であり、民法の範疇に入ります。

つまり何がいいたいかというと、こういう概念上の規定に関する議論は日本で盛んに行われ、今こうして巷でさえもさも現実の話としてああだこうだという議論に花が咲いたりするわけですが、実際の運用という点でいえば日本では裁判の現場においてもないがしろにされているし、現実の会社の世界や行政の対応といったことを考えるとまるきり現実とかけ離れ、むしろアメリカのほうが営利か非営利かいう基準に関しても日本よりむしろ厳密に会社の運営も行政上の措置もなされている、ということです。

日本の場合はもともと造語である法人とか会社とか営利、非営利、公益などといった言葉が現実を離れて一人歩きしており、それの裏づけとなる現実世界というと全くの別物ですから、逆にいえば法律も会社の形態のあり方も行政も企業風土も異なるアメリカの会社にまで当てはめようとするならどうとでも言えてしまうし、どういっても間違いとはいいきれない、ということになるでしょう。


それに「株式会社ものみの塔」という言い方だって、要は「言ってることとは大違いの金儲け集団ものみの塔」という意味が真意でしょうから、間違っているかどうかというと間違ってはいないと私は思います。

むしろ私の感覚からすれば株式会社が利潤を追求するは当然でそれが宗教法人などという免税の恩典を受けている組織の金儲けこそ汚いと思いますけどね。むしろ営利法人は税金を払って公益に貢献しているのではないかと。逆に公益法人はタテマエだけでその実態は多くは私益強欲法人です。


でもね、やっぱりこれは日本だとどうしても言葉尻の問題になってしまうので、私はJWICのあの株式会社どうこうというのは蛇足だなといったまでです。



> AL様:
>
> いや、言いたかったことと聞きたかったことを的確に書き込んでくださってありがとうございます。
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> 日本の民法・会社法や英米法の商法・州法いろいろにまたがる話ですからね、こっちも渉外弁護士やってるわけではないですし一々いろいろ調べるのも難儀でしたしね、どなたか書いてくださるんじゃないかと期待してつっこみいれたんですが。
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> ALさんのすばらしい書き込みにのっかるみたいで恐縮ですが、やはり「株式会社」という言葉は日本語ですしね、日本の概念にのっとった使い方をすべきだと思うんですよね。そして日本で「株式会社」といえば、@株主の間接有限責任とA持ち株比率に応じた株主への利益配当がその本質だということは商法の基本の基本かとと思います。そもそも営利社団法人として認可だし。
> なので、強引に「ものみの塔は株式会社といえるんだ」なんて言い切ることには相当の無理があるし、ものみの塔が間違った組織だと決め付けたいがために事実や常識と乖離したことを強引に言い切るのは、社会的に見て逆効果だとおもいます。
>
> しかしながら、特に深い考えもせず「お金には絶対にキレイな組織だし、神と兄弟のためだから」なんていいながら不信者の旦那さんと築いた貴重な資産を偽善宗教団体にガバガバ流出させるという、多くのエホバの証人女性信者がとってきたであろう行動に警鐘を鳴らすという目的をもって、あえてものみの塔を「株式会社」と称し、寄付によって集められた巨額の金銭が不透明な使い方をされている組織なんだということをアピールしようというのであれば、その呼び方も悪くはないかな、とも思います。こちらの管理人さんもそういうことで「株式会社ものみの塔」とおっしゃったんだろうと思いましてね、「シャレですよね?」って書き込んだわけです♪
>
> 管理人様:
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> そうですね、まあその辺は流すだろうと思って細かく書いたりはしませんでしたが、正確に書き直しますか。
>
> 「Incって、(アメリカ合衆国内において株式会社として登録されてる)という意味だから、アメリカ合衆国内で法人として成立していないものが同国内で株式会社として登録されてるということはありえないだろうから、『法人なのにもかかわらず,Incが使われてるのはなぜですか?』っていうヤン元嶋さんの質問おかしくないですか?
> 正確には、『Incってアメリカ合衆国内において株式会社として登録されてるって意味だろうけど、なぜ非営利公益法人であろうものみの塔が、営利社団法人という意味であろう株式会社として登録されてるんですか?』って聞くべきではないんですか?
> 法人っていう言葉の意味をよくわかってなくて使ってるんじゃないですか?」
>
> 「しかし『株式会社ものみの塔』ってのは管理人さんがシャレでおっしゃってるんですよね。つまり、まさか管理人さんは日本のものみの塔聖書冊子協会が、まともな日本人が思い浮かべるであろう株式会社(正確には商法第二編第4章に規定される営利社団法人としての株式会社)として、取締役によって業務執行なされたり、株主に利益配当したりしてるとは思ってないですよね?
> さすがにものみの塔はどう強引に考えても、まともな日本人が普通に理解している「株式会社」というものにはあてはまらないですもんね。
> 自分の都合のいいように事実でないことを事実だと強引に言い切るようなことをしてるわけではないですよね?」っていうことですね。
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> それともやっぱものみの塔は株式会社なんですかね?もしそうならホントに知りたいです。
>
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