「人はだれもただ一人、旅に出て
人はだれもふるさとを振り返る
ちょっぴりさみしくて振り返っても
そこにはただ風が吹いているだけ
人はだれも人生につまづいて
人はだれも夢破れ、振り返る
何かを求めて、振り返っても
そこにはただ風が吹いているだけ…」
がらんとした建物
もう騒ぐ声は聞こえない
あのころ、流行っていた歌が聞こえる
でも目は閉じない
涙があふれそうだからじゃない
過ぎた日々が、今そこにあるかのように思い出されるから
私はひととき立ち止まっていたいのに
世界は動いてゆく
引きちぎられながら、雲が風に飛ばされるように
きびすを反して、私は歩きだす
吹きつける風に背をかがめながら
枝々は揺りうごき、まるで挑みかかって来るよう
手のひらのうちで煙草に火をつける
ささやかな抵抗のつもり
煙がしみて目を細める
一年後のこの日、
今日の私をどうふり返っているだろう
一年後のこの日、
どこでどうしているんだろう
人はだれもふるさとを振り返る
ちょっぴりさみしくて振り返っても
そこにはただ風が吹いているだけ
人はだれも人生につまづいて
人はだれも夢破れ、振り返る
何かを求めて、振り返っても
そこにはただ風が吹いているだけ…」
がらんとした建物
もう騒ぐ声は聞こえない
あのころ、流行っていた歌が聞こえる
でも目は閉じない
涙があふれそうだからじゃない
過ぎた日々が、今そこにあるかのように思い出されるから
私はひととき立ち止まっていたいのに
世界は動いてゆく
引きちぎられながら、雲が風に飛ばされるように
きびすを反して、私は歩きだす
吹きつける風に背をかがめながら
枝々は揺りうごき、まるで挑みかかって来るよう
手のひらのうちで煙草に火をつける
ささやかな抵抗のつもり
煙がしみて目を細める
一年後のこの日、
今日の私をどうふり返っているだろう
一年後のこの日、
どこでどうしているんだろう