昼寝するぶた 掲示板過去ログ:#8846

昼寝するぶた

ここでは、昼寝するぶた掲示板の過去ログを並べています。

No.8846 イスカリオテのユダ 投稿者:ろかいゆ 投稿日:2006/04/07 18:40 その他 ♀    部外者です 30代中盤 神がいても無宗教な人
昔のことですが、私の小さい頃、母には被害妄想がありました。
家の中で、なにか彼女の気に入らないことが起こると、
彼女は、泣き叫んで金切り声をあげました。なんでも大抵は、
私が「裏切り者」扱いにされて、ひどくののしられました。

私がまだ教会に行っていた頃、聖書の登場人物の中で、
最も親近感を感じた人物が「イスカリオテのユダ」でした。

イスカリオテのユダは、聖書の中で、なくてはならない存在です。
彼なしでは「キリストの受難」という、キリスト教にとって、
最も大事なストーリーが、成立しないのですから・・・。

私は、イスカリオテのユダのように、自分が必然的な存在で、
しかも「悪役」としてこの世に必要とされていると感じていました。

イエスがユダに「生まれてこなかったほうがよかっただろう」
と言った言葉は、私にとって、長い間、疑問でした。
「救い主」が、命を否定するようなことを言っているからです。
私は「イエスはイスカリオテのユダを救うつもりはないのだ」
と思って、それを自分に重ねて考えて、自分にも絶望しました。

でも、長い時間が経って、そのうちに考えが変わりました。
今では、このイエスの言葉は、冷淡なものでもなく、
ユダを突き放したものでもなかったのだと感じます。
イエスは自分の損得だけを考えるような人ではないからです。

最も親しい人を裏切らずにいられない、疑わずにいられない、
そういう心持で毎日を暮らすことは、本当に哀しいものです。

イエスは、たぶんユダの心の内面の哀しさや孤独をよく知って、
その心の内を言い当てて、ただ「理解しているよ」と、
共感の気持ちを言葉にしただけなのではないか、と思うのです。
イエスは、人の心の分かる、いい人だったんだろうな、と思います。
発言者別リストに戻る
過去ログ一覧に戻る
トップに戻る