オヤジがもう余命幾ばくもない。目を背けたくなるような姿。チューブに生かされている姿。顔はもう死人。母はうつろな顔つきで疲れきっている。真っ白な髪、薄くなっている髪。生きている死人ね。長老である弟は忙しいらしい、ひと言ふた言母に何か話して帰っていった。わたしはやっぱり、何となく予感していたとおり、母を抱いてあげていた。わたしは言ってしまった、「お父さん、よくやったよね、よくがんばったよ」。
うそばっかり。あんなにいまいましかったのに...。でもやっぱり親よね。母はもうわたしを責めなかった。お母さん、あなた今何を思っているの。お父さんは王国へ行けるんでしょ? そんな言葉で納得できるのはもっと後のことよね。寂しいんでしょ? ひとりってことが寂しいんでしょ? 末期はいっしょに看ていてあげる。日にちが経てばまたあなたはわたしを責め立てるんだろうが...。そうやってしかあなたは生きてゆけないのよね。
ひとつの人生が終わる...。この人たちはこれでよかったんだろう。エホバの証人たち。それも生き方なのよね...。
うそばっかり。あんなにいまいましかったのに...。でもやっぱり親よね。母はもうわたしを責めなかった。お母さん、あなた今何を思っているの。お父さんは王国へ行けるんでしょ? そんな言葉で納得できるのはもっと後のことよね。寂しいんでしょ? ひとりってことが寂しいんでしょ? 末期はいっしょに看ていてあげる。日にちが経てばまたあなたはわたしを責め立てるんだろうが...。そうやってしかあなたは生きてゆけないのよね。
ひとつの人生が終わる...。この人たちはこれでよかったんだろう。エホバの証人たち。それも生き方なのよね...。