当時私が働いていたのは登録ホステス120人ぐらいで常時出勤ホステスが80人ぐらい
のグランドキャバレーだったので、3日に一度は社交さん(ホステスのこと)が泣きながら
カウンター前(厨房の料理が出てくるボーイの待機場所)に来るわけです。
「チーフぅぅぅ、私もう駄目、私死にたいの〜」(チーフとは調理長)
「そうかわかった! 俺に任せろ!」と言って
カウンターに白いタオルを引いて、牛刀とペティナイフとアイスピックと砥石を並べて、
「準備が出来た、どれにする?どれでもいいぞ」
「???」
「首の頸動脈を切るなら牛刀、手首を切るならペティナイフ、心臓を刺すなら
アイスピックだな。死ぬときに痛くないように俺が腕によりをかけて研ぐからさ。
どれにするか決めてくれ。今すぐ研ぐから。」
とチーフが言うと、ホステスはあきれかえって廻りのボーイを見ると、
「トイレは駄目だぞ、俺たちは普段、客の吐いたゲロを素手で掃除してるんだ。
客のゲロだけで手一杯なのにホステスの血なんてまき散らされたら目もあてら
れねぇ。トイレだけは絶対無しにしてくれよ」とボーイその1。
「更衣室も困るぞ、更衣室を血だらけにされて死なれた日にゃぁ、社交さん達
が気味が悪いって大騒ぎになるから神主さん呼んでお清めしなきゃならない。
後で愚痴を聞かされるのは俺たちなんだからな。更衣室は困るぞ」とボーイその2。
「そうだ、店の裏手にある水洗トイレの浄化槽の前がいい。あそこはコンクリート
のたたきになってるから、血がまき散らされても後で水道のホースで簡単に掃除
できるからあそこがいい。死ぬなら裏のトイレの浄化槽の前にしてくれ」とボーイ長。
それを聞いたホステスは怒り狂っちゃって、顔を真っ赤にして、「あんたたちって、
あんたたちって、あんたちたちって最低!!!!」と言いながらホールに戻っていく。
私はまだ18歳だから死にたいって言う人にみんなで死ね死ね言うのは初めての
経験だからびっくり。
ホステスが行った後に「チーフ、ホステスさんにあんなこと言って大丈夫なんですか?
死ぬ言ってるから、みんなであんなこと言ったら本当に自殺するかもしれませんよ。」
「まわりに死ぬ死ぬいう奴で死んだ奴はいないよ。本当に死ぬ奴は黙って死んでいく。
相手の目を見りゃ同情が欲しくて死ぬって言ってるのか、本当に死にたいから死ぬって
言ってるのかすぐわかるよ。本当に死にたい奴は自分の世界に閉じこもってるから
存在感が無くて今にも消えそうな雰囲気だからすぐわかる。あの子は客に暴言吐かれて
落ち込んだから俺たちの同情が欲しかっただけさ。そういうときはあれでいい。
あの子にはあのやりかたがベストだ。」 そう説明されてもなんか釈然としない私。
数日後、事情が全然読めてない私が、「自殺の話はどうなったの?」とホステスに聞くと、
「私が死ぬとあんたたちが喜ぶのがわかってるから私は意地でも死なないことにしたの。
あんたたちって、本当〜に最低っ!」って言うのを聞いて、そうか、そういう慰め方もある
んだなと一つ勉強になる。
それ以降、死ぬ死ぬ言うホステスが来ると、
「トイレだけは駄目だぞ、俺達は普段、客の吐いたゲロを素手で掃除してるんだ。
客のゲロだけで手一杯なのにホステスの血なんてまき散らされたら目もあてら
れねぇ。トイレだけは絶対無しにしてくれよ」というのが私のセリフになる。
私がキャバレーのボーイをしてる時代に自殺したホステスは4人。そのうち3人は
いるんだかいなんいだわからないような存在感の薄い子で、カウンター前で愚痴も
言わずに黙って死んでいって、残り1の人はカウンター前の常連で、自殺未遂で
手首を切るのが趣味で、流れる血を見ると生きているって確認できる変わり者。
その子は趣味の自殺未遂に失敗して本当に死んじゃった。
そういう経験をしてるから、同情が欲しくて死ぬ死ぬいう奴がいると、
「死にたいんならぐだぐだ言わないでさっさと死ね」って言いたくなるんだよなぁ(苦笑)
ネットは相手の顔が見えないからそんなことは言わないし言えないけどね。
のグランドキャバレーだったので、3日に一度は社交さん(ホステスのこと)が泣きながら
カウンター前(厨房の料理が出てくるボーイの待機場所)に来るわけです。
「チーフぅぅぅ、私もう駄目、私死にたいの〜」(チーフとは調理長)
「そうかわかった! 俺に任せろ!」と言って
カウンターに白いタオルを引いて、牛刀とペティナイフとアイスピックと砥石を並べて、
「準備が出来た、どれにする?どれでもいいぞ」
「???」
「首の頸動脈を切るなら牛刀、手首を切るならペティナイフ、心臓を刺すなら
アイスピックだな。死ぬときに痛くないように俺が腕によりをかけて研ぐからさ。
どれにするか決めてくれ。今すぐ研ぐから。」
とチーフが言うと、ホステスはあきれかえって廻りのボーイを見ると、
「トイレは駄目だぞ、俺たちは普段、客の吐いたゲロを素手で掃除してるんだ。
客のゲロだけで手一杯なのにホステスの血なんてまき散らされたら目もあてら
れねぇ。トイレだけは絶対無しにしてくれよ」とボーイその1。
「更衣室も困るぞ、更衣室を血だらけにされて死なれた日にゃぁ、社交さん達
が気味が悪いって大騒ぎになるから神主さん呼んでお清めしなきゃならない。
後で愚痴を聞かされるのは俺たちなんだからな。更衣室は困るぞ」とボーイその2。
「そうだ、店の裏手にある水洗トイレの浄化槽の前がいい。あそこはコンクリート
のたたきになってるから、血がまき散らされても後で水道のホースで簡単に掃除
できるからあそこがいい。死ぬなら裏のトイレの浄化槽の前にしてくれ」とボーイ長。
それを聞いたホステスは怒り狂っちゃって、顔を真っ赤にして、「あんたたちって、
あんたたちって、あんたちたちって最低!!!!」と言いながらホールに戻っていく。
私はまだ18歳だから死にたいって言う人にみんなで死ね死ね言うのは初めての
経験だからびっくり。
ホステスが行った後に「チーフ、ホステスさんにあんなこと言って大丈夫なんですか?
死ぬ言ってるから、みんなであんなこと言ったら本当に自殺するかもしれませんよ。」
「まわりに死ぬ死ぬいう奴で死んだ奴はいないよ。本当に死ぬ奴は黙って死んでいく。
相手の目を見りゃ同情が欲しくて死ぬって言ってるのか、本当に死にたいから死ぬって
言ってるのかすぐわかるよ。本当に死にたい奴は自分の世界に閉じこもってるから
存在感が無くて今にも消えそうな雰囲気だからすぐわかる。あの子は客に暴言吐かれて
落ち込んだから俺たちの同情が欲しかっただけさ。そういうときはあれでいい。
あの子にはあのやりかたがベストだ。」 そう説明されてもなんか釈然としない私。
数日後、事情が全然読めてない私が、「自殺の話はどうなったの?」とホステスに聞くと、
「私が死ぬとあんたたちが喜ぶのがわかってるから私は意地でも死なないことにしたの。
あんたたちって、本当〜に最低っ!」って言うのを聞いて、そうか、そういう慰め方もある
んだなと一つ勉強になる。
それ以降、死ぬ死ぬ言うホステスが来ると、
「トイレだけは駄目だぞ、俺達は普段、客の吐いたゲロを素手で掃除してるんだ。
客のゲロだけで手一杯なのにホステスの血なんてまき散らされたら目もあてら
れねぇ。トイレだけは絶対無しにしてくれよ」というのが私のセリフになる。
私がキャバレーのボーイをしてる時代に自殺したホステスは4人。そのうち3人は
いるんだかいなんいだわからないような存在感の薄い子で、カウンター前で愚痴も
言わずに黙って死んでいって、残り1の人はカウンター前の常連で、自殺未遂で
手首を切るのが趣味で、流れる血を見ると生きているって確認できる変わり者。
その子は趣味の自殺未遂に失敗して本当に死んじゃった。
そういう経験をしてるから、同情が欲しくて死ぬ死ぬいう奴がいると、
「死にたいんならぐだぐだ言わないでさっさと死ね」って言いたくなるんだよなぁ(苦笑)
ネットは相手の顔が見えないからそんなことは言わないし言えないけどね。