ゲストブック過去ログ:#1405

昼寝するぶた

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No.1405 It's up to you ! 投稿者:あぶさん 投稿日:2005/11/17 13:36      

昔々、年老いた賢者が山の上の洞穴に住んでいた。
その賢者は『生』についての
いかなる質問にも答えられる聖者として、
はるか遠くの地にまで名を馳せていた。

彼は真実を語る人だった。

だが、彼の力に疑いを抱いている若者がいた。
いつの世でも、若者とはそういうものだ。

そんな若者の一人が、友人たちに豪語した。
『あの老いぼれの隠者に罠をしかけて、
  絶対に正しい答えが出せないようにしてやる』と。

若者は手の中に、かわいそうなアメリカコゲラを握って
友だちに言った。

『これからその老人を探しに行く。
  見つけ出したら、両手を後ろに隠すんだ。
  そしてこう聞く。

“この手の中の鳥は生きているか死んでいるか”と。
  もし、老人が“死んでいる”と言ったら、
   両手を差し出して“ほら、生きている”と言う。
    老人が“生きている”と言ったら、
     鳥の首をひねってから見せて、
      “死んでいる”と言ってやるんだ』

策略を胸に、若者は老人が住むという洞穴を見つけ
大きな声で呼ばわった。

  『 老人よ! 老人よ! 』

中から返事が聞こえ、たずねた。
  『お前の望みは何じゃな、お若いの』

若者は小鳥を後ろに隠してこう答えた。
  『 実は、おたずねしたいことがあるのです! 』

洞穴の声が言った。
  『それならたずねてみよ。お若いの』

若者はにやりとして言った。
  『 今、私が後ろにまわした手の中には小鳥がいます。
     この鳥が死んでいるのか、生きているのか
      それをおたずねしたい! 』
      
      
       

短い沈黙があり、やがて洞穴から悲しげで
うんざりしたような声が聞こえた。

『それは、あんた次第だよ、お若いの』


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