ゲストブック過去ログ:#778

昼寝するぶた

ここでは、昼寝するぶた掲示板の過去ログを並べています。

No.778 投稿者:Q9 投稿日:2004/03/28 13:06 元2世姉妹 不活発で棄教でーす 完全に壊れてる A型 40代 神はいない無宗教な人
電話に起こされた。夜には眠れないのに朝にパンとヨーグルト食べるとうとうとしてきて、学生の頃のようにテーブルにうつぶせになっていた。外はきらきらまぶしい。わたしってこういうので気分良くなれる。でも電話の話は重いものだった。

友人の親御さんが亡くなられたのだという。彼女のところへは公私にわたってよくお伺いすることがあったので、その方とも面識がある。腹の底から笑う、磊落な方だった。「○○ちゃん、いつまでひとりでいる気かね、なんならおれんとこ来るか、まだまだいけるよ、あんた!」などと言って、年増の行かず後家のわたしを立てて、うれしがらせてくれていた。ぜんぜんセクハラっぽくなく、ほんとうに思いやりの深い方だった。それは友人の人格にも十分引き継がれている。

脳卒中だそうだ。ガンや糖尿病のように苦しむことなく逝かれたのは不幸中の幸いだったと感じた。わたしもできればそのように世を去りたいものだ。友人の声は静かで、とても清澄だった。
窓をいっぱいに開ける。春のかすんだ空の青色がひときわ深く思えた。生きていることがとても貴重に感じる。呪ったり、悔いたり、中傷したりすることに費やしていては貴重な時間を無駄にしているというセリフを心の中で繰り返す。

一本だけ残っているよれよれの煙草に火をつけ、ローエングリンの前奏曲を流して、感情に浸った。
…つっぱってないで、弱みを隠さないで生きよう。生きることって繰り返しだ、変化の大枠があってその中で変化は繰り返される。出会いがあって別れがある、誕生があって死去する。発現しては消滅し、消滅してはまた誕生する。これが世界のサイクルだ。永遠に同じままなんてことは自然に反する。

うまくやれても、それだっていつかは枯れてゆく。うまくいかなくてもまた新しいチャンスは芽生えてくる。多くのチャンスを見過ごしてきた、でも今浮上してくるチャンスはまた違う世界へ広がる入り口かも知れない。流れに逆らわずに生きてゆこう。でも人の流れには流されまい。日本人は苦手な生き方だけれど、すくなくともわたしは平均的な日本人の生き方にはあずかれなかったんだから、今さら人目を気にする必要もない。

世界は多くのチャンスをばらまいて、その中のいくつかを個人が選択する。全部を得ることはできない。少数に絞って深く追求するか、浅くでも広く集めるか、それすら自由だ。あの方のように屈託なく笑えるような、自然な生き方でいよう。負けまいと突っ張るのが自分に無理を強いていることにちがいない。

人間としての生を悔いることなく生きられましたか。
それなら、あなたは幸福な人生を送られました。
賞賛をこめて、ご冥福をお祈りします。
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