【排斥された子供に対して親はどうするべきか?】
会衆によって開催日は微妙に違いますが、毎週木曜日の夜に行われる集会、【神権宣教学校】に続いて行われる【奉仕会】で使われる組織の指導文書、王国宣教(2002年8月号)で、審理委員会(内部裁判)で排斥(破門)された子供を持つ親は、子供に対してどういう態度を取るべきなのかが公式に発表されました。
内容自体は特に目新しいものではなく排斥制度の再確認という感じで、言ってみれば30数年前の審理委員会発足当時の決定に戻った感じです。私が30年前、15歳の時に背教で排斥された当時、排斥とはこういう状態でした。
JWで学んで来た環境やポジションによっては、こういう大事な事を何も知らされていなくて、JW信者が排斥されるとどういう事になるのかよく知らない人もいっぱいいると思います。
宗教団体なのに司法制度を持つ、JW独自の審理委員会という「弁護士無しの暗黒裁判制度」により信者が排斥されるとどうなるか、あなたも良〜く知っておいたほうがいいですよ。何故なら明日は我が身かもしれませんからね。
聞くところによると、今まで排斥者に対する信者の対応は会衆のローカルルールによりまちまちだったようです。
王国会館に来た排斥者は長老以外と喋ってはいけない。つまり一般信者は排斥者と喋るな。というのはどこも共通しているようですが、会衆によっては排斥者は完全なる村八分で、街で見かけても一切無視で、目も合わせるな口も聞くなと強硬に指導されている会衆もあれば、排斥者に対しては個人の判断で付き合うようにと指導していた会衆もあったようです。
今回、「排斥された人に対して正しいエホバの証人はこうしなさい」と、JW組織として明確な形で指示が出たわけですが、例によって明確な命令形ではなく、JW独特の表現形式で、「排斥者にはこうしなさい、でも組織は責任を取らないよ」といういつもの責任逃れの表現になっています。
これを読むと、信仰に熱心な人は杓子定規に適用しようとするでしょうし、それほど信仰に熱心じゃない人は自分の良心とのせめぎ合いで悩むでしょうね。
神に選ばれた組織と自称しているJWとは、組織の存続と発展が何より大事で、個人の幸福は後回しです。もしあなたが子供を持つ親で、(あるいは将来結婚して親になる予定の独身者)「JW信者になると親子共々幸せになるかも」と思っている、人を疑うことを知らないお人好しさんはこの文書を良く読んでお いてくださいね。
あなたの知らないJWの本当の世界とは【条件付きの愛】の世界です。
あなた達親子がJWのルールに従っている間は幸せかもしれません。しかし、あなたがJWのルールからはずれた場合、あるいはあなたがJWのルールに従っていても、あなたの子供がJWのルールからはずれた場合、あなたも子供も地獄を見ます。
それがエホバの証人の世界です。
【要約】親子関係のみ。
★組織から追放された人にどのように接するべきか?(一般論)
追放された人とは交友を避ける(村八分)
追放された人とのあいさつも駄目、会話も駄目(村八分の徹底)
★排斥された子供に対して親はどうあるべきか?
排斥前と排斥後では親子関係が変化するべきである。(条件付きの愛の徹底)
★同居する排斥された子供に対して親が取るべき態度。
親には子育ての義務があるので排斥された子供に衣食住は与える。
親には子育ての義務と同じように子供に信仰を強制する義務があるから、排斥された子供を矯正するために、強制的な宗教教育と懲らしめのムチをする。
つまり、親に食わせて貰っているあいだは嫌でも聖書の勉強をするしかないということ。それが嫌なら子供は家から出て行くしかない。排斥される子供というのは中学生以上の子供になると思われるので、親のムチにより子供が反撃して家庭内暴力になる可能性もある。
★別居する排斥された子供に対して親が取るべき態度
家を飛び出した子供を再度同居させる場合、子供が身体的精神的な病気になった場合は同居させてもいいが、そうでない場合は条件付きでの同居しか認めない。
つまり、家を飛び出した子供が組織に戻る気が無い場合、親子関係を終了させろということ。 子供が一番困っている時にこんな鬼のようなことをする親は、子供が大人になった後で子供に捨てられるでしょう。
★排斥者が成人に達している別居した親子関係の基本
家族間の重要な連絡以外の付き合いは一切禁止。話しかけてもいけない。
排斥者がJW組織に戻らない限り、親子は絶縁しなくてはならない。
つまり、親子の幸せより組織を優先しろということ。
ものみの塔聖書協会発行「わたしたちの王国宣教」 2002年8月
私の母親は組織の決定に忠実に従う「正しいエホバの証人」でした。組織の猫の目のようにころころ変わる決定に忠実に従う母親により大迷惑を貰った私は、自分が親になる時に母親と完全に絶縁しました。私は親の死に目に会う気もないし葬式に行く気もありません。これは組織の決定に忠実に従ってきた母親の自業自得です。
あなたも私の母親と同じ「正しいエホバの証人」ですか?もしあなたが正しいエホバの証人ならこの決定に忠実に従うべきでしょう。
その結果、私の親子関係と同じように親子絶縁になった場合、組織は責任を取ってくれません。
それどころか将来「新しい光が出た」と称して違う決定が出る可能性もあります。その際も組織は過去の取り決めに対して責任を取りません。それがJWという組織です。
ですから、あなたがこの決定に忠実に従った結果、将来自分が子供に捨てられたのなら、それはあなたの自業自得です。
覆水盆に返らず
追記1:
なおJWには排斥された信者に対して復帰制度があります。排斥されて数年間経過後、「また組織に戻りませんか」というお誘いがあり、排斥者がそれに応じた後で、会衆内村八分という制裁を1年近く受けます。会衆内村八分とは、「排斥者は長老以外の誰とも喋ってはいけない」というJWの教えに基づいた信者達による無言のリンチで、王国会館に自分がいても周りはその存在を一切無視します。排斥者は1年近くの無言のリンチに耐えた後、やっと組織に復帰できます。そして、復帰制度を排斥者に適用するかしないかは上の一方的な判断だそうです。
私が以前に2世達のオフ会で聞いた特異なケースとしては、ある長老が輸血して排斥になり、数年後に組織に正式に復帰し、そのまた数年後に長老に返り咲いたケースがあったそうです。
【排斥者が教える排斥されないコツ】
審理委員会では悔い改めの姿勢が何より大事です。審理委員会では自分に正直なお人好しほど馬鹿を見ます。よく姦淫の罪を犯して女性信者はおとがめ無しで、男性信者が排斥されたというパターンがありますが、審理委員会の長時間の尋問により、女性信者は泣き崩れ、男性信者は頭がブチ切れたというパターンになるようです。そうなると女性信者は悔い改めの姿勢が見えたのでおとがめ無し、男性信者は反省の色が見えないから排斥となります。こういう場合、審理委員会とは単なる儀式と考え、男でも七転八倒して泣き崩れ、反省の態度を見せるのが何より肝心です。よく長老の息子や娘が審理委員会にかかってもおとがめ無しで、同じ罪を犯した一般信者が排斥になるのは、長老の親が審理委員会を生き延びるコツを子供に教えるからです。まぁ、審理委員会を生き延びるコツを教えても、お人好しのあなたがその場で使えるのかどうかわかりませんけど、一応自分の経験から参考までに書いてみました。
追記2:
排斥されるとこういう制裁があるわけですから、JWを辞めるには不活発で辞めるのが一番かしこいやりかたです。自分のけじめをつけたいという理由から「断絶届」を出すとどうなるかというと、断絶者は排斥者と同じ扱いになります。JWでは名誉を持ってきれいに辞めるなんてことは不可能なシステムになってます。やれやれだよね。 ┐(´ー`)┌
2002/08/15