そして、その後の監督との質疑応答の時に、組織の推奨する直径2センチ位の円断面で出来た女性用のウェストベルトが無い場合は、男物の細身のベルトで代用してよい、必ず子供のパンツを降ろさせてから、親は手加減せずに力一杯子供のお尻を20回以上叩くように、と言い出すから会衆内の子供達は真っ青になって、沈黙の大パニックになりました。

そしてお馬鹿な私はご多分に漏れず発表から数日後にムチで打たれ、私は会衆内第2号のムチの被害者となってしまいました。実は私はムチで打たれるまで、JWを辞めたいなんて只の一回も考えたことが無かった本当によい子だったのですが、最初のムチの時に、目がつり上がって何かに取り付かれた狐のような顔になって興奮状態で叩く母親を見、そしてムチの痛みのショックで、「こんな宗教は何が何でも絶対にやめてやる!」と初めて堅く心に誓ったのでした。

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こらしめの与える訓練によって実を結ぶ

(1)聖書の教える物の見方をしない人は、こらしめを受けることを望みません。しかしクリスチャンはこらしめを受けることを喜びます。それはご自身の民に対する神の愛の現れです。従ってクリスチャンは、「エホバのこらしめを軽んじてはならない」と述べた使徒パウロの助言に従います。(ヘブル、十二ノ五)こらしめは生命の道であり、義の実を結びます。けんそんにこらしめを受け入れる人は、この事を知っています。-ヘブル、十二ノ十一。

(7)エホバとみ子キリスト・イエスの愛あるこらしめを受け入れるとき、正義という平和の実を結んで喜びを得ます。同時に家庭聖書研究によって謙遜な人を教えるとき、エホバの是認を得て、新しい秩序の下に生命をかち得るように、人々を効果的に援助することになります。

御国奉仕 一九六四年五月一日 第七巻第五号 日本版

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日本の野外奉仕報告:3月

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当時の日本のエホバの証人は3168名しかいなかったんですね。

組織のムチの指導は完全に逆効果で、ムチは私の心にサタンを呼び込んだのでした。

ムチ発表の流れは、火曜日の聖書研究会で、JW組織が「三田ベテルから会衆宛の手紙」で、2世の子供達に対するムチ実施命令を発表。2日後の木曜日の神権宣教学校の御国奉仕(王国宣教)の記事でだめ押し、3日後の日曜日の 公開講演と ものみの塔研究の注解という念の入れ様で、このしつこさに会衆内の全員が、2世の子供に対するムチの実施を組織が本気で考えているんだと完全に納得。ムチ実施は決定的となりました。

ムチの開始は、私が小学校2年生の最初の頃でした。確か、日曜日の公開講演の題が「子を懲らしめるのにためらう事なかれ」という題の講演だったと記憶しています。

こういう話は証拠になるソースを出せって言ったって絶対に出せる話じゃないんですよ。引用した王国宣教の記事を見てわかるようにムチを使えなんて一言も書いていませんし、当時のものみの塔の記事もそうだったはずです。それに、話の元になる「三田ベテルから会衆宛の手紙」なんか絶対に手に入りませんし、とっくの昔に手紙の処分命令が出て全部廃棄してしてますから、私の話を信じるか信じないかはあなたしだいです。

でも、当時バプテスマを受けた兄弟姉妹だった会衆の古い現役さんに確認してみれば、間違いなくこの昔話を覚えていると思いますよ。

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小学校2年生、東京の母子寮に住んでいた頃)

その後、母親の北海道の実家に移り住んだ小学校2年生の頃、私の最初の逃げ道が無くなります。それは、幼い頃から常に母親が「エホバ神はいつもあなたを見ているんですよ、だから悪いことを考えたらハルマゲドンで滅ぼされちゃいますからね、悪いことを絶対に絶対に考えてはいけませんよ、思ってもいけませんよ。」と言う意味が理解できるようになったからです。

小学校2年生になると脳味噌も盛んに動き出すようで、いろいろな悪い事も考え始めます。その結果、親の教えや組織で禁止されている悪いことが頭に浮かんだだけで、自分の良心が過剰に反応してしまい、何かを心で思っただけで自分がハルマゲドンで滅ぼされて死ぬという恐怖にとりつかれてしまいました。

そして、それがいつしか習慣となり、自分の心の中の全てがいつもエホバに見られているという、まるで人通りの多い道の真ん中で、全面ガラスの部屋の中で生活しているような息苦しい毎日が始まります。(この過剰に反応する良心との葛藤はJWを辞めるまで延々と続きます。)

また、親の言うことを聞かないと必ず使われるムチの影響もありまして、私がムチで実際に叩かれた回数はたいしたことが無いんですが、しかしそれだけでも自分の心の深いトラウマになるには十分な回数でした。何かあると母親が、「言うことを聞かないとムチだからね。」と気楽に一言うだけで、私はいきなり従順モードの動けない羊さんになってしまうのでした。(情けなや〜)

私は母親に信仰を強制された生活で、JW信者になる以外の道を完全に閉ざされてしまいますが、いきなり頭の中に一つにグッド・アイデアがひらめきます。

それは、「僕はこの家に生まれた以上、エホバの証人になるしかなくて、他の道を一切許されてないし、もしやめる道を選ぶと間違いなく将来ハルマゲドンで滅ぼされてしまう。だから、心が悪いことを考えないようにするには、これから自分の本当の心は心の奥にしまって、新しい別の自分を作って、自分で自分を騙して騙して騙して、とことん騙し続けて生きていこう。そうしないと毎日を生きているのが辛すぎるし、その辛さの重みで自分が潰ちゃうから。」と決めて、それからの自分は完璧な2重人格者として生きていく決心をしました


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