【中澤啓介って何者?】
中澤啓介(なかざわけいすけ)
日本バプテスト教会連合
大野キリスト教会牧師
■創設者ラッセルの虚像と実像 「ものみの塔の源流を訪ねて」の本を書いた 中澤牧師ですが、「中澤牧師の本をネットで紹介するのに、中澤牧師の事を糞 味噌に書くけどそれでもいいですか? 私は本だけ紹介して教会に行かなくて もいいって平気で書いちゃう人だけどそれでもいいですか?」って聞いたら、 即答で「ゆーじさんの好きなように書いて下さい。そのほうが面白いですから」 って言い出す変な牧師です。
私が数年前に初めて大野教会に遊びに行った時の目的は、ネットで2世問題が 取り上げられているけど、それについて教会側はどういう認識をしているのか を知りたくて訪ねて行きました。
一応、人を訪ねて行って話を聞くんだから、社会人の礼儀として義理でも礼拝 に参加しなけりゃまずかろうということで、少し遅刻して礼拝に参加だったん ですが、たまたま信仰告白という事をやっていて、大野教会の信者さんが、自 分の神に対する信仰の気持ちをみんなの前で喋っている時でした。
最前列になんか風采の上がらない分厚いメガネをかけた初老のオヤジが座って いて、髪の毛はぼさぼさ、目は充血して真っ赤っか、よれよれの背広を着て、 分厚い聖書を見つつ、講演者を食い入るように見つめている人がいるから、 『なんか凄い人がいるなぁ、この人はリストラされて失業中で神にすがりつい ている熱心な信者さんか?』と思っていたら、その人が中澤牧師で、それまで イメージしていた牧師のイメージとあまりにもかけ離れていてぶっ飛んでしま いました。
当時、中澤牧師はJW関係の本を執筆中で、毎日の睡眠時間が3時間で生活し ていたなんて聞いたのは後の話で、これほど牧師らしくない牧師も珍しいんじ ゃないのかなって思いました。(最近は毎日ちゃんと寝ているようです)
礼拝が終わった後で2世問題の教会側の認識について質問したところ、「問題 があるのは認識しているが、その実状が全然わからなくて困っている」とのこ とで、逆に私が長時間説明するはめになりました。そんなきっかけで大野教会 に1年近く通って、いろいろとキリスト教の事を勉強させてもらいました。
通い始めの最初の頃は、休憩時間中に私が椅子に座っていると、中澤牧師が にこにこしながら近づいてきて横に座って、いきなり私に議論をふっかけて 来るんですよ。で、私もそういう難しい話が大好きですから、すぐに議論を 買って時間の許す限り議論しまくりました。
宗教の話からお互いの人生論、仏教や禅宗や密教の話や人間の存在意義まで いろいろ議論しまくりで、こういう受け持ちジャンルの広い牧師って初めて だったんで、ちょっとない楽しい経験をさせてもらいました。
中澤牧師って牧師の世界では有名な牧師らしいんですが、私はそういうのに 全然興味がないんで、何で有名なのかどのくらい偉いのかさっぱりわかりませ ん。彼はJWの事を知るために、神奈川県の相模大野会衆で、1年のあいだ、 研究生になってJWの事を勉強した人です(←これが重要)
キリスト教の牧師のくせにJWの研究生をやっちゃうのは、やっぱり変な牧師 です。いくらのーがきこいていても、JWに対する認識にズレがあると、聞い てる方はいきなり冷めちゃいますけど、そこらへんの認識のズレは全然ない人 ですね。
「ものみの塔の源流を訪ねて」を読んでつくずく思いましたが、研究生を1年 やって、外部からJWを見ているだけで、ここまで的確にJWの内部事情を判 断出来るのはさすがに聖書の専門家だと思いました。
【大野キリスト教会って何だ?】
バプテスト派に属するキリスト教会ですが、バプテスト派ってなんだかさっぱ りわかっていません(苦笑)自分がバプテスト派の意味を知りたくなったら、 その時にそう言う本を読んで勉強すればいいやって考えています。
大野教会って変な教会で、礼拝が終わると信者さん達はみんな好き勝手にやり たい放題やってる感じです。いろいろなサークルがあって、信者主導で聖書の 勉強会やってたり、ゴスペルの練習会やってたり、元JW1世の信者さん達が JWの勉強会をやってたりしてて、今まで私がいろいろ行った教会の中で一番 教会らしくない教会ですね。
そして、あそこまで牧師を大事にしないで使用人扱いする教会も珍しいんじゃ ないのかな? あそこに行くと牧師が信者に気を遣ってる感じがしますよ。 他に何ヶ所か教会に行ったんですが、信者さん達が牧師さんを立てていて、 牧師さんを御神輿に乗せようとしている感じがする教会が多かったんですが、 大野教会はそういう雰囲気は一切無しで、必要以外は牧師と距離をおいて牧師 のじゃまをしないようにしている感じです。牧師がみんなに無視されて一人で ぽつんと立っているのはなんか変で、逆に牧師が寂しいからって信者に話しか けるのがなんかおかしくて楽しかったですね。
信者のみなさんは新人さん大好きで歓迎してくれるんですが、そのくせ「あな たも信者になりませんか?」ってJWみたいに絶対に勧めないのは、あの教会 の教理なのかな?未だによくわかりません。「私は絶対にキリスト教の信者に はなりませんよ!」って言っているのに、たまに遊びに行くと必ず歓迎してく れる不思議な教会です。
大野教会の登録信者は300人位、そのうち元JWさんは40人位(元1世が 多い)日曜日の11時から始まる第3部の礼拝の参加者は100人ぐらいで、 その中の元JWさんは5〜6人くらいです。JW経験者の私が、他の教会に比 べて一番抵抗なく参加できる不思議な教会でした。
大野教会は民主主義で運営していますので、役員改選の時期になると礼拝後に、 信者さん達が集まって会議会議ってやっています。会議ではみんな言いたい放 題言ってるようで、JW式の上意下達式の運営方法しか知らない私には目が点 でした。
民主主義は教会から始まったと何かの本で読みましたが、それが目の前で展開 されているのを見るのは不思議ですね。会議は最終的に多数決で意志決定され るんですが、反対意見も貴重な意見だからって、少数派の意見を多数派の決定 内容に取り入れようとして牧師が調整に走り回っている姿を見ると、凄いなと 感じるものがありました。
また、大野教会はJW対策専門教会じゃありませんので、元JWさんが増えす ぎると他の一般の教会員達からクレームが出ます。過去にそういうクレームが あって、教会員全体の話し合いの結果、大野教会の信者全体に対して元JW信 者は何%までという取り決めがされています。そのため、新しい元JWさんが 増えて取り決めの%をオーバーしそうになると、元JWさん達を他の教会を紹 介して人数を調整する。なんてことまでやっています。
そして、大野教会は信者の献金(寄付)で運営されていますので、礼拝で献金
の時間になると進行役が「献金の時間です」と言って黒い寄付袋が廻ってきま
す。その時に誰がいくら献金したか絶対にわからないようになっていて、その
うえ誰がいくら寄付したかなんて事に信者さん達は興味もないようです。あく
までも献金の金額を決めるのは神と自分の関係であって、建て前として10分
の1献金という目安はあるが、それを守る義務は何もないということで、いく
ら献金するべきなのかは全て自分の判断で決めているようです。
(私は金が無いときは200円だけ入れてました(^_^;)
牧師の給料は信者の献金から支払われています。そして教会の規模が小さくて 信者の献金だけでは教会運営が出来ない場合は教会の本部側から資金援助され ています。これって兼業農家の長老VS専業農家の牧師みたいなもんですが、 これは教会のシステムですね。仕事をして家族を養った上で、趣味の時間で長 老という仕事をするJW型運用と、食い扶持は教会側がちゃんと出すから、余 計な金の心配をしないで職業として牧師の仕事をするキリスト教会型運用の違 いだと思います。
キリスト教会の牧師とJWの長老のレベルの差ですが、こいつは比較するのが 難しい話しなんですが、JWを辞めた元長老がキリスト教の牧師に会うと、牧 師側が元長老のレベルの高さにたまげるようです。(つまり、「どーせJWな んかカルトだろ」って甘く見て元長老に会うと、並の牧師より遙かにレベルの 高い元長老が多くて牧師側が驚かされるってことね。)
大野教会は信者の献金で運営されていますので、信者に会計報告をする義務が あります。ですので、牧師の給料明細を書いた文書が壁に張り出されていて、 中澤牧師が給料をいくらもらっているのか一目瞭然です。
信者の献金から給料をもらっている牧師は、自分の教会の信者にサービスする のが仕事の基本ですから、中澤牧師がJW問題にかまけていると、教会員の全 体会議で「JWにかまけて教会の仕事をちゃんとしないのはどういうわけだ!」 とつるし上げられてしまうので、中澤牧師はJW問題は自分の趣味だと公言し ています。(建て前ってことね)ですので勤務時間は教会の仕事。勤務が終わ ってから自分の趣味のJW活動となりますので、自分の睡眠時間を削って、睡 眠時間3時間で執筆活動、なんて無茶な事をやっています。
教会全体を指導するのは牧師であっても、教会運営を信者主導の民主主義でや っているのは見ていて気持ちがいいですね。新しい方針があって、それを教会 員全員に納得してもらうにはどうすればいいか?って牧師達が頭を付き合わせ て考え込んでいるのって、教会ではごく当たり前の事なんだろうけど、JW式 の密室で長老達が話し合って全ての意志決定をして上意下達する世界しか知ら ないからものすごく新鮮でした。
また、大野教会のJW関係の本や資料の充実はものすごいものがあります。元 JWさんがJWと完全に決別して、過去の膨大なJWの本を捨てようとしてい ると聞くと、とりあえず全部くれくれでなんでもかんでも資料にしますので、 過去の膨大な ものみの塔、目ざめよ、書籍や冊子、王国宣教や御国奉仕は全部 ありますし、日本語以外の言語の書籍や冊子も置いてあります。
それ以外にも、日本で出版されたJW問題の書籍、週刊誌、新聞報道や切り抜 き。海外で出版されている英語圏やそれ以外の言語のJW問題の書籍も大量に あって、その資料の充実ぶりにマスコミが協力を求めて資料をあさっている時 もありました。
ある時私が「中澤牧師、この教会って十字架さえなければ最高だと思うんです けどねぇ」って言ったら「元JWのゆーじさんがそう言いたくなる気持ちはわ かるけど、教会から十字架を取ったら教会じゃなくなるから、それだけは絶対 に無理な話ですよ」って笑いながら返事をしてくれました。
約1年近く大野教会に通って、私は聖書の神を必要としない人だったという のが完全にわかったのが最大の収穫でした。大野教会の雰囲気は好きだし、 信者さん達との交わりも大好きですが、私が聖書の神を受け入れるかという と話は別問題です。
結局私は聖書無しで一人で生きて行ける人でした(^_^;)
聖書の専門家にJWについていろいろと疑問をぶつけてみたい人は、 こちらのリンクから連絡してみるといいかもしれません。
ゆーじ
2002/04/27